今回は、成分や用途を比較することで、経口補水液のおすすめ4選を紹介しています。
また、脱水状態を予防するための水分補給は経口補水液だけではありません。
あなたにあった水分補給方法についても3つのポイントを紹介しているので、参考にしてください。
経口補水液を比較する
経口補水液は身体に不足した水分やナトリウムなどの電解質を迅速に補給できることから飲む点滴と言われています。
経口補水液は医薬品より安く、簡単に補給できるため、発展途上国などの医療設備が十分でない地域で、感染症による下痢や嘔吐による脱水症を改善するために使用されてきました。
日本の医療機関でも、脱水状態の改善や予防のために手術の前後で使用されることがあります。
経口補水液という言葉を聞くと、最近できた新しい飲み物という印象を受けますが、1970年代から経口補水液の効果には注目が集まっていました。近年では熱中症対策など幅広い脱水症状の予防や改善に活用されています。
ドラッグストアなどでよく目にするようになった経口補水液ですが、いろんな経口補水液があって、どれを選んだらいいのかわからないという要望にお応えし、経口補水液の特徴とおすすめを紹介したいと思います。
病者用食品と一般食品で比較する
経口補水液は大きくわけて2つに分類することができます。
- 病者用食品(経口補水液OS-1、アクアライトORS)
- 一般食品(アクアソリタ、アクアサポート)
病者用食品の経口補水液は消費者庁に脱水状態を改善する根拠があると認められた食品です。それ以外の経口補水液は一般食品となります。
病者用食品とは…
食品の栄養組成を加減し、又は特殊な加工を施したものであって、その食品が医学的、 栄養学的見地からみて特別の栄養的配慮を必要とする病者に適当な食品であることが 認められるものであること
(消費者庁HPの病者用食品たる表示の許可基準より一部抜粋)
経口補水液を成分で比較する
経口補水液には病者用食品と一般食品があることがわかりましたが、栄養成分表示にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの製品の特徴と栄養成分表示に注目して比較しました。
※各種飲料の栄養成分表示は、各製品のパッケージの表示値を参考にしています。
また、100mLあたりの成分量を記載しています。
- 軽度の脱水状態:体重50㎏の男性が0.5㎏~1.0㎏の水分を失った状態
- 中等度の脱水状態:体重50㎏の男性が1.5㎏~4.5㎏の水分を失った状態
経口OS-1、アクアライトORS、アクアサポートには1日の目安量があり、年齢によっても目安量は違います。飲みすぎ、与えすぎに注意しましょう。
経口補水液はスポーツドリンクと比べてナトリウムやカリウムの濃度が高くなっています。ナトリウムやカリウムの摂取制限がある方は、医師や薬剤師などにご相談ください。
経口補水液の特徴
OS-1に代表される経口補水液はスポーツドリンクと比べてナトリウムやカリウムの濃度が濃くなっています。500mLのOS-1を飲むと梅干し1個分のナトリウム、バナナ1本分のカリウムに相当します。
また、適量のブドウ糖を配合することで、水分の吸収速度をより高めることができます。最大の違いは目安量があることです。これはナトリウムの過剰摂取に繋がる可能性があるためです。
経口補水液おすすめ4選
1.根拠がある製品を選びたい人
おなじみの経口補水液といえば、経口補水液OS-1ですね。
2.子ども向けの製品を選びたい人
あまり馴染みはなりませんが、小児用の経口補水液といえばアクアライトORSです。
3.安くてOS-1と同じような製品を選びたい人
明治のアクアサポートはナトリウムやカリウムなどの電解質が経口補水液OS-1と同じ程度配合されています。
OS-1と同様の効果を保証するものではありませんが、同じ程度入っているうえに値段が安い
4.おいしい製品を選びたい人
味の素のアクアソリタは、他の経口補水液に比べて飲みやすいという大きな特徴があります。
スポーツドリンクを経口補水液と比較する
最後に、スポーツドリンクと経口補水液についても比較してみます。スポーツドリンクも経口補水液と同様に身体に不足した水分やナトリウムやカリウムなどの電解質を補給する事を目的にしているため、違いが無いように感じませんか?そこで、スポーツドリンクとして皆さんにおなじみのポカリスエットとアクエリアスと経口補水液 OS-1を比較します。
ポカリスエット | アクエリアス | 経口補水液 OS-1 | |
写真 | |||
分類 | 一般食品 | 一般食品 | 病者用食品 |
エネルギー(kcal) | 25 | 19 | 10 |
炭水化物(糖質)(g) | 6.2 | 4.7 | 2.5 |
ナトリウム(mg) | 47 | 39.4 | 115 |
食塩相当量(g) | 0.12 | 0.1 | 0.292 |
カリウム(mg) | 20 | 8 | 78 |
リン(mg) | ー | ー | 6.2 |
目安量(mL/日) | ー | ー | 成人:500~1000 幼児:300~600 乳児:30~50/kg |
※各種飲料の栄養成分表示は、各製品のパッケージの表示値を参考にしています。
また、100mLあたりの成分量を記載しています。
スポーツドリンクの特徴
ポカリスエットやアクエリアスに代表されるスポーツドリンクは糖質を含む炭水化物が多く含まれています。当然、エネルギー量も多くなっています。また、アミノ酸などを配合した製品が多いことも特徴の一つです。糖質が多いのは体を動かしたり、エネルギーを消費して汗をかいた人が効率よく水分とナトリウムやカリウムを補給するとともに、エネルギーを回復することを目的として作られているためです。
おすすめの水分補給の選び方3つのポイント
- スポーツドリンクや経口補水液などの電解質を多く含む水分がおすすめ
- スポーツドリンクはエネルギーを消費した身体に糖質やアミノ酸を補給できるため、体力回復におすすめ
- ノンカフェインのお茶(麦茶など)やカロリーオフのスポーツドリンクがおすすめ
- 電解質、糖質を多く含まない水分をこまめに飲むことがおすすめ
- 脱水状態をしっかり回復するために経口補水液がおすすめ
- 冷えていない経口補水液をこまめに摂取する
効果的な水分補給には、ナトリウムやカリウムなどの電解質と水分を一緒に補給することが重要です。電解質は汗や尿と一緒に身体から出ていくためです。そのため、水だけを飲むことは効果的ではありません。適度な電解質を含む水分を補給しましょう。
お茶やコーヒーにも電解質が含まれていますが、カフェインも含まれているため、利尿作用によって脱水状態になりやすくなります。麦茶などのノンカフェインのお茶や飲み物を選びましょう。
カフェインのほかに、アルコールも脱水状態になるため、水分補給目的でのアルコールの摂取は避けましょう。サウナやお風呂あがりのビールは最高ですが身体にとっては最悪です。※水分補給してからビールを飲みましょう。
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