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薬剤師が教えるおすすめの虫除け剤と虫除け剤の使い方

薬剤師が教えるおすすめの虫除け剤と虫除け剤の使い方

今回は、おすすめの虫除け剤について成分や濃度の違い、使用方法の違いに着目しながら紹介したいと思います。 

また、おすすめの使い方についても紹介しているので、あなたにぴったりの虫除け剤選びの参考にしてください。

虫除けは自分の命を守るために重要

夏に向けて山登りやキャンプ、海水浴、バーベキューなどの機会が増えていきます。それらのアウトドアを行うにあたって、蚊やマダニなどの吸血性の動物が媒介とする病気の予防はとても重要です。

話は変わりますが、マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツ氏が、自身のブログ「gatesnotes(外部サイト)」で公表したデータでは、1年間の間に人間を殺した数が最も多い生物は『蚊』で、次いで『人間』という結果を公表しています。

蚊が媒介する感染症マラリア、デング熱、日本脳炎、ジカウイルス感染症、ウエストナイル熱、黄熱、チクングニア熱
マダニが媒介する感染症クリミア・コンゴ出血熱、ツツガムシ病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱、回帰熱、ダニ媒介脳炎

「媒介動物別感染症」(厚生労働省)を加工して掲載しています。

これらの蚊やマダニなどの吸血性の動物が媒介する感染症の対処方法として、効果的な方法は無防備に肌を露出させてアウトドアをしないことです。

しかし、活動中の体温調節などによって、肌が露出することはよくあります。

肌を覆い隠した場合でも、マダニなどの小さな虫や肌と密着した下着の中に潜り混んでくるヤマビルなどから肌を防御することはとても難しいです。

ヤマビルに噛まれると、傷口からの出血が止まらなくなります。これは、ヤマビルが血液を吸いやすくするためにヒルジンという成分を放出し、血液を固まらなくしているからです。

そのためにも、虫除け剤を活用して、最大限に吸血性の動物(蚊やマダニ、ヤマビルなど)から身を守り、恐ろしい感染症から命を守ることが重要なことなのです。

虫除け剤の成分(ディートやイカリジン)ってどんな成分?

虫除け剤の多くの製品には、ディートやイカリジンといった成分が配合されています。

主な適応害虫の違い
ディート蚊、マダニ、アブ、ブヨ、サシバエ、ヤマビルなど
イカリジン 蚊、マダニ、アブ、ブヨ

2014年以前の日本では、10%以下のディートを含む製品が医薬部外品、12%のディートを含む製品が医薬品(第2類)として販売されていました。

しかし、ディートの毒性は低いものの諸外国においても子供への使用を制限していることから、子供(12歳未満)にも安全に使用できる虫除け剤の販売が待ち望まれていました。

そこで、イカリジンという虫除け成分が2015年から子供にも安全に使用(年齢制限がない)できる成分して販売されるようになりました。

5%のイカリジンを含む製品が医薬部外品として販売されました。

2016年からは高濃度のディート(30%)と高濃度のイカリジン(15%)が販売できるようになりました。高濃度になったことで、効果持続時間が長くなりました。⇒効果継続時間の目安

虫除け成分の安全性は?

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は ディートとイカリジンを有効成分として配合する製品を推奨しています。⇒CDCが推奨する虫除け剤の使い方について(外部サイト)

また、CDCはアメリカ環境保護庁(EPA) により認可された有効成分を含む製品を推奨しています。 EPAは有効性と人および環境への影響を評価し虫除け剤を認可しています。 ⇒EPAが推奨する虫除け剤の製品について(外部サイト

ディートを含む虫除け剤は、一般的に毒性が低いとされていますが、公益財団法人 日本中毒情報センターでは、ディートを急激に一定量を経口摂取した場合や、慢性的な皮膚適用の場合に、血圧低下、けいれん、発疹などの症状を呈する物質であると紹介しています。

日本では重篤な事故例の報告はありません。一方、諸外国では高濃度のディートを含む製品も市販されており、事故例が多数報告されています。

子供にも使える虫除け成分

アメリカ疾病管理予防センター(CDC) はディートやイカリジン以外の虫除け成分についても推奨しており、天然の成分ではレモンユーカリの葉から抽出される油(レモンユーカリオイル)を含む製品などが挙げられます。

レモンユーカリオイルは低濃度のディートと同等の虫除け効果を示したという結果が近年の研究において報告されています。

レモンユーカリオイルを含む製品

レモンユーカリオイルを含む製品には、ミストスプレー、シール、リングなどがあります。

※レモンユーカリオイルを含むスプレーとシールは肌に直接付着させることはできません。
※購入された際は使用上の注意をよく読んでから使用してください。
※CDCやEPAが推奨する製品を掲載しているわけではありません。

イカリジンを含む製品

イカリジンは、ディートと同等の虫除け効果を示し、皮膚への刺激性がほどんどないことが報告されています。

ディートはポリエステル系やポリウレタン系の合成樹脂に対して、変質・劣化などの影響を与えますが、イカリジンはほとんど影響を及ぼさないという特徴があります。

虫除け剤を安全かつ効果的に使うために!4つのポイント

1.製剤ごとの特徴を知る

虫除け剤にはエアゾール、ミスト 、ティッシュ、ローション、ジェル、クリームなどの製剤があります。

それぞれの製剤には特徴があります。

エアゾール タイプ

靴や衣服、肌などの広範囲に虫除け成分を付着させることができます。

肌に直接塗るタイプ(ティッシュ、ローション、ジェル、クリーム)とエアゾールを比較すると虫除け成分の付着効率が8割程度に劣ります。

虫除け成分をしっかり付着させたいときは念入りにスプレーする必要があります。

ミスト タイプ

靴や衣服、肌などの広範囲に虫除け成分を付着させることができます。

肌に直接塗るタイプ(ティッシュ、ローション、ジェル、クリーム)と比べて虫除け成分の付着効率は少し劣ります。

適量を手のひらに噴霧してから肌に直接塗り伸ばすことで、虫除け成分の付着効率は肌に直接塗るタイプと同程度になります。

肌に直接塗る タイプ

肌に直接塗るタイプ(ウエットティッシュ、ジェル、ローション、クリーム)は肌などの特定部位にしか虫除け成分を付着させることができません。

エアゾールタイプやミストタイプ に比べて付着効率は高いです。

広い範囲に虫除け成分を付着することができません。

2.最初の一度だけでなく定期的に使う

虫除けの効果は、虫除け成分の蒸発や雨、発汗、拭くことによって失われるので、屋外で長時間活動する際は、高濃度の虫除け剤を選択し、定期的に再塗布する必要があります。

また、短時間の屋外活動では低濃度の虫除け剤を選択し、定期的に再塗布する必要があります。

イカリジンの再塗布時間(目安)
医薬部外品5%・・・3~4時間毎
医薬部外品15%・・・6~8時間毎

ディートの再塗布時間(目安)
医薬部外品10%以下・・・1~2 時間毎
第2類医薬品12%・・・2~3 時間毎
第2類医薬品30%・・・5~6時間毎

※発汗量や汗を拭く頻度によって、虫除け成分の効果持続時間には個人差があります。
※ディートは12歳未満に使用制限があります。使用制限内で使用しましょう。
※30%ディートは12歳未満には使用できません。

3.安全に使うために

ディートには、12歳未満への使用制限があります。
30%のディートを含む製品は12歳未満に使用することができません。

12%以下のディートを含む製品

小児(12歳未満)に使用させる場合には、保護者等の指導監督の下で、以下の回数を目安に使用すること。なお、顔には使用しないこと。
 ・ 6か月未満の乳児には使用しないこと。
 ・ 6か月以上 2歳未満は、1日1回
 ・ 2歳以上 12歳未満は、1日1~3回

ディートやイカリジンなどの虫除け剤を使用する場合は、目に入ったり、飲んだり、なめたり、吸い込んだりすることがないようにし、塗布した手で目をこすってはいけません。

傷口、かぶれた皮膚に塗らないこと万一目に入った場合には、すぐに大量の水又はぬるま湯でよく洗い流してください。

ディートはポリエステル系やポリウレタン系の合成樹脂に対して、変質・劣化などの影響を与えるため、ストッキングやタイツなどの上からの使用ができない場合があります。

4.日焼け止めクリームは最初に塗る

アウトドアをするうえで、かかせないものは日焼け止めクリームと虫除け剤です。

この2つには塗る順番があります。

①日焼け止めクリーム
 ↓乾いてから
②虫除け剤の順番に塗ってください。

逆に塗ってしまうと虫除け成分の効果が減弱してしまうからです。

おすすめの虫除け剤と使い方のまとめ

屋外での場面にあわせて、虫除け成分の濃度を変える。
⇒ 長時間の外出や海外旅行なら高濃度の虫除け成分が配合されている虫除け剤
⇒ 短時間の外出なら低濃度の虫除け成分が配合されている虫除け剤

虫除けしたい部位(衣服or皮膚)に応じて虫除け剤を変える。
⇒ 靴や衣服などの広範囲にはエアゾールタイプやミストタイプを使用する。
⇒ 肌にはティッシュやローション、ジェル、クリームなどを使用する。

こんなにたくさんの種類を持ち歩くのは大変ですね。

ミストタイプの虫除け剤がおすすめ

ミストタイプの虫除け剤は、適量を手のひらに噴霧してから直接肌に塗り伸ばすことや広範囲に噴霧することができます。

携帯に便利な小型の虫除け剤もあるので、お散歩やアウトドア、登山の時にカバンに入れて、夏のアウトドアを楽しみましょう。

まとめ
  1. 日焼け止めクリームの後に虫除け剤を塗る。
  2. 定期的に虫除け剤を塗りなおす。
  3. ディートは衣服の素材によって使えない場合がある。
  4. ミストタイプの虫除け剤がおすすめ

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また、当ページでおすすめしている医薬品は必ずしも私達がその効果効能を保証するものではありません。症状が悪化している方や、今の症状に心配がある方は病院での適切な医師による診察を受けてください。

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