今回は、あなたの頭痛の症状に合った頭痛薬を紹介します。
頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛と種類があります。他にも頭痛薬を飲みすぎることで発生する薬物乱用頭痛があります。
頭痛の症状によっては頭痛薬が効かないこともあるので、自分の頭痛について知ることが大切です。
あなたにぴったりの頭痛の治し方と頭痛薬選びの参考になればと思います。
頭痛の治し方
頭痛の症状には種類があります。頭痛の症状や原因にあわせて頭痛の治し方を選びましょう。
病院に行き、きちんと検査を受けて原因を把握し、治療を開始することは最も確実な治し方のひとつです。
日本頭痛教会が提供するホームページでは、認定頭痛専門医が所属する医療機関も検索することができます。⇒頭痛専門医がいる医療機関を探す(外部サイト)
だけど、
病院やクリニックに行く時間がない
病院に行かずに、頭痛をなんとかしたい
病院に行くけど、早く頭痛を和らげたい
と思った方
自分の頭痛の種類にあわせて、市販の頭痛薬を服用したり、サプリメントを飲んだり、マッサージをしたりという選択肢もあります。
市販の頭痛薬を飲む時の注意点
頭痛に効く薬の成分にも種類があります。
すべての頭痛に対して市販薬は万能ではありません。一時的な痛みの緩和にしかなりません。
5~6回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、薬剤師や医師に相談してください。
また、アレルギーなどの副作用があったり、妊娠中・授乳中であったり、
持病により他の薬を服用している場合には市販薬を服用できないことがあります。
必ず、薬剤師や医師に相談してください。
自分の症状や身体に合った成分が配合された市販薬を選びましょう。
もちろん、市販の頭痛薬では効かない頭痛の症状もあります。
そのときは病院で医師の診断・指示のもと、処方された薬を服用しましょう。
頭痛の症状の種類
頭痛の症状には種類があります。
二次性頭痛
- ・突然の頭痛
- ・今まで経験したことがない頭痛
- ・いつもと様子の異なる頭痛
- ・頻度と程度が増していく頭痛
- ・手足の麻痺やものが見えにくいなどの症状を伴う頭痛
- ・発熱,嘔気,嘔吐,顎が胸に付きにくくなる項部硬直などの症状を伴う頭痛
このような症状に1つ以上当てはまる場合は医療機関への受診をおすすめします。
これらの症状を有する頭痛は二次性頭痛に分類されます。
ほかにも、頭をバットで殴った後に生じる頭痛も二次性頭痛に分類できます。
一次性頭痛
・片頭痛 | 市販薬でも症状緩和が可能 |
・緊張型頭痛 | 市販薬やマッサージ、 運動でも症状緩和が可能 |
・群発頭痛 | 医療機関での薬物療法、 禁酒などによる誘発原因 の除去が有効 |
これらは一次性頭痛に分類されます。
【頭痛の治し方】片頭痛
片頭痛は頭痛発作を繰り返し、発作は4時間から長くて72時間持続することがあります。
頭の片側で発生し、ズキンズキンと脈を打つように痛い。(両側、拍動しない場合もある)
日常的な動作で痛みが強くなる事が特徴で、悪心・嘔吐を伴うことがあり、光や音、臭いに過敏になります。
片頭痛の治し方は薬を使った治療法が中心となります。
片頭痛には頭痛の前兆がある片頭痛もあります。
前兆は頭痛の発作が始まる前にギザギザ稲妻のような光が現れ、徐々に大きくなり、見えない部分が出てきます。
これは「閃輝暗点(せんきあんてん)」という視覚症状です。
【頭痛の治し方】緊張型頭痛
緊張型頭痛は片頭痛の症状と真逆に位置する頭痛です。
片側がズキンズキンと脈を打つような痛みではなく、両側の頭が圧迫されて締め付けられるような軽度~中度の痛みで、日常動作で痛みは強くならない。
悪心・嘔吐はなく、光過敏や音過敏が、どちらか一方だけとなる。
緊張型頭痛の原因の1つとして、頭の周りや首の後ろ、肩、背中にかけての筋肉の血流の悪化による筋肉の緊張が考えられています。
いわゆる肩こりや首のこりです。
緊張型頭痛の治し方は薬を使った治療法だけでなく、姿勢の是正,肩こりなどを解消するための運動療法なども効果的です。
ただし、慢性の緊張型頭痛(1か月に15回以上の頻度)は片頭痛の症状と同じような症状が出ることがあり、症状が重くなることがあるので、医療機関を受診することをおすすめします。
【頭痛の治し方】 群発頭痛
片方の目の奥から前頭部、側頭部にかけて激しく痛み、数週間~数か月のあいだに繰り返して生じる事が特徴です。
夜間、睡眠中に頭痛発作が起こりやすく、20代後半~40代の男性に起こりやすと報告されています。女性に比べると男性は約6倍なりやすいです。
群発頭痛が繰り返し生じている期間を群発期と言います。群発期にはアルコールにより頭痛が誘発されることがわかっているので、禁酒をすることが症状を和らげるために効果的です。
群発頭痛の治し方は医師に処方される医薬品が最善の選択であり、群発期には医師に処方された薬を飲む事をおすすめします。
市販の薬は効かないもしくは効きにくい事が考えられるため、一時的な気休めと思ってください。
目が真っ赤に充血して、鼻水、鼻づまり、汗、涙などの症状も出ることがあります。
群発頭痛の症状を持つ人には、大酒家やヘビースモーカーが多いことが報告されています。
薬物乱用頭痛
さいごに、必ず知っておきたい頭痛は薬を使いすぎることにより生じる薬物乱用頭痛です。
頭が痛いからとひんぱんに頭痛薬を飲み続けると慢性的な頭痛症状に陥ってしまします。
諸外国での頭痛外来や頭痛センターでの薬物乱用頭痛が占める割合は
ヨーロッパでは30%、アメリカでは50%以上になることが報告されています。
頭痛に効く成分から選ぶ
市販で購入できる頭痛薬の成分には、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、エテンザミド、イブプロフェン、ロキソプロフェンの6種類があります。
また、痛みをおさえるはたらきを助ける成分として無水カフェインがあります。
市販薬を購入したら中の説明書をよく読み、わからないことや気になる症状がある時は薬剤師や医師に相談しましょう。
イソプロピルアンチピリン
成分名称 | イソプロピルアンチピリン(通称:IPA) |
分類 | ピリン系解熱鎮痛薬 |
成分が配合されている 主な医療用医薬品名 | SG配合顆粒 |
特徴 | 中枢移行性が他の解熱鎮痛薬に比べて高いです。 ピリン系薬剤に対してアレルギーがある人は服用できません。 |
アセトアミノフェン
成分名称 | アセトアミノフェン |
分類 | 非ピリン系解熱鎮痛薬 |
成分が配合されている 主な医療用医薬品名 | カロナール、SG配合顆粒、 PL配合顆粒、ぺレックス配合顆粒 |
特徴 | こどもから大人まで幅広い年齢層の人が使えます。 インフルエンザの時にも服用できる解熱薬です。 大量に服用すると肝機能障害により黄疸やだるさなどの症状が出現します。 『ACE処方』の成分のひとつです。 |
アセチルサリチル酸
成分名称 | アセチルサリチル酸(通称:アスピリン) |
分類 | 非ステロイド性消炎鎮痛薬 (NSAIDs (エヌセイド) |
成分が配合されている 主な医療用医薬品名 | バファリン配合錠A330、アスピリン末 |
特徴 | 胃潰瘍などの胃腸障害が他のNSAIDsに比べて発現しやすいです。 胃を守る成分と一緒に配合されています。 風邪薬などを飲んで喘息になったことがある人は服用できません。 他に比べると安価です。 |
エテンザミド/サリチルアミド
成分名称 | エテンザミド/サリチルアミド |
分類 | 非ステロイド性消炎鎮痛薬:NSAIDs (エヌセイド) |
サリチルアミドが成分が配合されている 主な医療用医薬品名 | PL配合顆粒、ぺレックス配合顆粒 |
特徴 | エテンザミドは体内で代謝されてサリチルアミドになります。 アスピリンに比べて胃潰瘍などの胃腸障害が少ないです。 風邪薬などを飲んで喘息になったことがある人は服用できません。 アセトアミノフェンと一緒に配合されており、『ACE処方』の成分のひとつです。 |
イブプロフェン
成分名称 | イブプロフェン |
分類 | 非ステロイド性消炎鎮痛薬 (NSAIDs (エヌセイド) |
成分が配合されている 主な医療用医薬品名 | ブルフェン |
特徴 | アスピリンに比べて強い抗炎症作用と解熱・鎮痛作用を持っています。 胃潰瘍に注意が必要です。 風邪薬などを飲んで喘息になったことがある人は服用できません。 |
ロキソプロフェン
成分名称 | ロキソプロフェン |
分類 | 非ステロイド性消炎鎮痛薬 (NSAIDs (エヌセイド) |
成分が配合されている 主な医療用医薬品名 | ロキソニン |
特徴 | アスピリンに比べて強い抗炎症作用と解熱・鎮痛作用を持っています。 胃腸障害の発現が他のNSAIDsに比べて少なくなるように作られた成分です。 近年、医療用から一般用でも使えるようになった薬(スイッチOTC)です。 |
無水カフェイン
カフェインの特徴:痛みをおさえるはたらきを助ける成分です。
他の鎮痛成分と併用することが推奨されており、他の鎮痛成分を単独で飲むより有効性が高い事が報告されています。
アセトアミノフェン、エテンザミドと一緒に配合されており、『ACE処方』の成分のひとつです。
無水カフェインを含む薬を飲む時は、コーヒーを飲むことを控えたり、カフェインが少ないデカフェコーヒーを飲むことをオススメします。
ACE処方はアセトアミノフェン(A)、カフェイン(C)、エテンザミド(E)を配合した処方です。
ACE処方には1回量あたり50~80mgのカフェインが配合されています。コーヒーカップで約1杯程度のコーヒーの量です。
まとめ
- 頭痛薬に含まれる成分にはそれぞれ特徴があります。
- 頭痛の症状には種類があり、頭痛の症状によっては薬が効かない事もあります。
- 自分にあった薬を選びましょう。
- 頭痛薬だけでなく、マッサージなど他の治療法を検討してみましょう。
- 頭痛の症状がいつもと違うときはためらわずに病院に行きましょう。
PriCketはお薬の疑問やお薬の悩み、お薬への不安などを薬剤師に相談や質問ができる無料のサービスです。私たちはあなたのそばでお薬や健康に関する相談や質問を待っています。
好きな時にどこからでも薬剤師にお薬の相談ができます。
下記のお薬や健康の相談・質問窓口からいつでも可能です。
また、当ページでおすすめしている医薬品は必ずしも私達がその効果効能を保証するものではありません。症状が悪化している方や、今の症状に心配がある方は病院での適切な医師による診察を受けてください。
これらの医薬品は、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。アレルギー体質の方や医師の治療を受けている方は、必ず身近な薬剤師や当ページを運営しております薬剤師にご相談ください。